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2007
11.06

サウス・バウンド /奥田 英朗

Category: オススメ本
映画化されて、そのコピーが「へぇ・・」という感じだったので読んでみた。
映画の主演は怪優豊川悦史なので、読んでいても頭の中ではトヨエツが動き回っている

サウス・バウンド /奥田 英朗

一家のオヤジは破天荒。
筋の通らないことは認めない。昔は学生運動の闘士でその存在は今でも警視庁から要注意扱いを受けるほど。
今は組織からは抜けているが・・・

国・体制・・学校、信用できないものには頼らない。
群れない。自分に正直に生きるのが信条。


こんなオヤジだから、子どももやりにくい。
とうとう「修学旅行の徴収金の明細が不明だ」・・といって学校にまで乗り込む。
長男二郎(長男なのに二郎・・父は一郎・・これも変)の学校生活はとてもやりにくくなった。
おまけに不良中学生に目をつけられるし。

そんな中、父の昔の仲間が事件を起こし、いろいろなことが重なって、住みにくい東京を離れ南の島に移住

南の島では父は知らない者はいない英雄の子孫・・ということになっていて、大歓迎。最初は東京を恋しく思っていた二郎たち兄妹だったが、東京にはない人と人とのかかわりの大きい島の暮らしに慣れていくにつれて父のこと、母のこと、何となくわかるような気がしてきた。

でも、父一郎の昔のしがらみが幸せに暮らしていた南の島まで追いかけてきて…



人は、何かに所属して生活している。
日本の国に生まれたなら、国に所属する日本人
子どもは学校に所属し、成長すると、社会の一員・・という名目で、会社や何らかの団体、自ら選んで自分の身の置き場を作る

それが安全安心に思えるのだ。

父一郎の何にも依存せず、自分の頭ではじき出した自分の信条に従う生き方・・
自由だろうが、乱暴な生き方だ。
こういう父を持っている二郎が、東京~西表島・・と、自分でしっかりと考え続け、成長するのが物語の軸になっている。

物語の最初の方の父一郎は「何が何でも体制に従いたくないオヤジ」というイメージだったが、後半一郎と二郎が話し合うシーンが増えるにつれて「物事の本質を見つめ過ぎた人なんだなぁ・・」と感じるようになった。

運動グループから抜けたのも、その意味のなさを見極めたから。運動のための運動、勢力争いに酔っている・・と。
環境保護団体の運動に至っては「島の人に迷惑な話」とまで言い切る小気味よさ。

筋を通すための、自分の信条に素直に従うための行動は極端なんだけれど…
そして、「俺のようにはなるな。少し極端だからな。」 と息子に話すほど、自分のこと、自分のしていることを実は客観的によくわかっているというのも素敵な人だ。

でも、こういう人が実際に身の周りにいると近寄りたくない存在・・だと感じるとは思うけれど。

東京での二郎を取り巻く人々や、島に移ってからこの家族を囲む人々が個性的でいい。
映画ではどんな風に表現されているか、ぜひ見てみたい。

なんせ、読みながら頭の中ではトヨエツが動き回っていたんだから・・・

 映画「サウスバウンド」公式サイト 










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